2011年秋に初めてポルトガルを旅し、北部の町Barcelos(バーセローシュ)を訪問した。訪問の目的は、この地で作られる陶人形を見るためです。鉄道のストライキによって予定を短縮しての滞在となりましたが、この地を代表するアート工芸Figuradoと出会うことができました。作品はどれも個性的で圧倒されました。特に、陶人形の鮮やかな色彩と豊かな表情、見たことのない姿形に驚かされ、私はファンになりました。
いったん帰国したものの、どうしてもFiguradoに会いたくなり、ほぼ2年後の冬にバーセローシュを再訪し、陶人形作家を訪ねました。アントニオラマーリョさんの母ジュリアラマーリョは、とても有名な陶人形作家で、造形の特異さと飴色単色の釉薬との組み合わせが特徴です。宗教的な作品が多く、一見するとおどろおどろしい姿の作品が多いですが、息子のアントニオ作品は、造形的な遊び心が加わり、色彩には緑が加わって、もう少し身近に感じる作品が多いです。2016年にRamalhoさんの工房を訪ねた折に、二人に会い、親子の作品をたくさん見比べてみるとAntonio作品の造形の面白さは抜群です。
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