太古窯家門陶房さんで頂戴した案内文によると、今を去る約三千年の昔、この付近に「やきもの」窯を築いて土器や祭器を焼いておったようです。この由緒ある”太古の遺構”を尊び、高倉大夫が復元し築窯し、さらに、その伝統を継いだのが「太古窯」の始まりなそうです。昭和41年のことですから、50年以上前になります。山口市や宇部市、空港の観光情報を調べていたら「太古窯家門陶房」の紹介がされていて、ユニークな作風でしたので、一目、自分の目で確かめたくなり訪問しました。
厚東駅から徒歩数分のところに太古窯家門陶房はありました。当初、駅を降りたら駅前のお店でも眺めながら窯元を訪問しようと思っていましたが、なんと厚東駅は無人駅で、駅前にはお店もなかったので、窯元に直行しました。
事前に電話してお店の営業時間を聞いていましたので、窯元に着くと、連絡いただいた方ですか?と温かく出迎えてくれました。店内に入ると、そのおびただしい作品の数に圧倒されました。季節柄、節句に飾る人形が沢山飾られていました。そして、その現代風なキャラクターに改めてびっくりしました。
最近作られたキャラクターかと伺うと、この作風になってから20年以上になるそうです。生活風景など様々な作品を作られてきていて、季節ものや干支飾りなど多種多様の作品を生み出してきたとのこと。
特におじいさんおばあさんがお茶を飲むほのぼのとした作品は、以前大ヒットしたそうで、大きな旅館やお店など、注文が多かったそうです。山口宇部空港でも少し前までは販売していたそうです。確かに今回の情報もそこに載っていました。
昔は収集家のお客さんもいらっしゃったとのことで、新しい作品が出ると(おそらく)どんどん購入されたそうです。きっとこれだけの作品がある、ということは、それだけ沢山のファンの方がいらっしゃる証ですね。とにかく、作品展数が多い。伺ったわけではありませんが、作品を作るスピードが速いのでしょうね。そして、今を掴むために、新しい題材に挑戦し続けられているのだろう、と感じました。
白虎様の姿もあったので記念の一枚。そして自分への記念品は、かつて大ヒットしたおじいさんおばあさんにしました。変わらぬ中での変わり方。そしてそれを続けるエネルギー、ポルトガルの陶芸村で感じたものが、ここにもあるような気がします。
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