陶器のオブジェサイト「12月のこころ」のクラフトの旅欄にレポートしてみようと、ちょっと時間ができたので東峰村の小石原焼と高取焼の窯元に足を運びました。交通の便が悪く迷っていたところ、東峰見聞録というサイトに窯元めぐりのガイドの案内がありましたので思い切って電話してみました。幸運にも東峰村ツーリズム協会会長の小野さんが当日のガイドを引き受けてくれました。いつもレンタカーを借りて自分で回るのですが、今回は時間が限られていて地理に不案内、ということもありラッキーでした。おかげで早朝のバスではなく天神発8時過ぎの日田行きバスで杷木に向かい、杷木のバス停でピックアップしてもらいました。
杷木で小野さんに合流し、道すがら、小石原焼と高取焼の歴史などの説明をいただきながら、今日の訪問工程(3時間)を決めました。数年前の機内誌に小石原焼の窯元紹介があったことがきっかけでしたので、掲載された窯元を中心に、小石原と高取の歴史がわかるように回っていただきました。まず最初は、筑前黒田藩の御用窯であり、のちに遠州七窯の筆頭となった髙取焼の宗家を訪ねました。折よく十三代髙取八山さんにもお会いできました。登り窯や土づくりの工程なども拝見できました。どうもありがとうございます。
髙取焼宗家の次は、機内誌に掲載されていた小石原焼の鶴見窯を訪問しました。和田義弘さんの作る作品はカラフルで女性のファンも多いそうです。
この日、いろいろな窯を見て回ることができたのはガイドをしてくれた小野さんの尽力(人のチカラ)があってこそです。東峰見聞録のサイトも自分で全部作られているそうです。すべての窯元さんを紹介することができる人脈をお持ちでプロのガイドとしての自負をお持ちでした。そして、今からの旅行は個人の旅人が自分の目的にあう地域や文化を見て回るのが主流になり、それをサポートすることで良い旅行になるし、地元の産業も良く知ってもらえる、と熱っぽく語られてました。(そのとおりです!)なので少人数のグループを中心にガイドされているそうです。皆さんも機会があれば一度お願いされたらどうでしょう。参考までに東峰見聞録はコチラ http://toho.main.jp/
さて、次に訪れたのは高取焼鬼丸雪山窯です。玄関横に立っているのが東峰ツーリズム協会の小野さんです。中には伝統的な作品が並んでいました。
次に訪問したのは翁明窯さん。ここでは人気の水玉模様の作品を拝見しました。水玉、と聞きましたらドット柄と言われ、ここにも近代化進んでいると、感じました。そして、こちらの窯元では、飛びかんなの技法を見せていただき、さらにカンナにも触らせてもらいました。かんなはもともと時計のゼンマイを使ったそうで、跳ね返るチカラを利用して、次々に削っては飛び、削っては飛んで削れていくようです。小石原の土は黒いので、白い釉薬をかけて上から削ると模様がでるのですね。すごいものを見せていただき感激です。
次に訪れたのはマルダイ窯さんです。刷毛目と櫛目などの技法を見せていただきました。ギャラリーには大きな作品が並んでいて歴史を感じるひと時でした。工房を見学した際にまず目に飛び込んできたのが刷毛の多さです。大小様々、想像ですが腰の強さ(柔らかさ)が全部違うのでしょうね。先代が集めたものです、と十五代大田万弥さんは話されてました。刷毛目の実演のあとで、櫛を使った擂り鉢の製作も見せていただきました。削る姿は芸術的です。ひとつひとつの食器にこのような美術性が潜んでいるとは!まさに用の美ですね。感激!
そして、最後は太田哲三窯さんを訪問しました。杷木に戻るバス停のそばで、道の駅にもほど近い窯です。料理をじゃましないシンプルさと鮮やかさを兼ね備える器が並んでいました。ここでは記念に飛びかんなの技法を使った湯呑を購入しました。
この窯の訪問でガイドをしてくださった小野さんとお別れです。あっという間の3時間でした。丁寧な説明どうもありがとうございました。もう一度、機会を作って案内いただきたいものです。
さて、杷木行きのバスの時間まで残すところ小一時間。道の駅には50近い窯元の作品が並んでいます。きっと時間のない人は、ここで作品を見学して購入するのでしょうね。私は併設する農産物の直売所で、白なすやいちじく、サツマイモなどたくさん野菜を買って帰りました。これが大正解で、どれもすこぶるおいしさでした。東峰村の大ファンになりました。
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