今日は若い男性の作家さんネルソンオリヴェイラさんとアントニオラマーリョさんを訪ねる予定です。アントニオさんには事前にメールできたものの詳しい訪問時間を決めていなかったので、朝食後に電話をしてみました。ところがアントニオさんは今いないということで連絡できませんでした。作品の梱包や発送作業もしないといけないので、午後は作業に当てて、先にネルソンさんの陶房を訪問することにしました。ネルソンさんの陶房は他のどの作家さんのエリアとも違って川の南側です。昨年訪問した時とは住所も違っていて、さて無事に着けるのか少しだけ不安が残ります。
案の定、今日もタクシーの運転手さんは迷いながら、人に道を聞きながら、それでも無事に到着しました。ホッ!
ネルソンさんの陶房を訪れると美しい女性も一緒でした。この一年の間に結婚されて、新居に移ってこられたそうです。
陶房にはスタジオのような展示場所が作られていて、若い感覚のおしゃれな空間になっていました。それ以上に有り難かったのは、PCの翻訳ソフトを活用し、片言のポルトガル語では表現しにくい質問のいくつかを、答えてくれたことです。
クリスマスシーズンが間近いこともあって、聖アントニオ作品が沢山並んでいました。おそらく多くの家で飾るのでしょう。前から疑問に感じていたので、聖アントニオは何の目的で飾るのか?とネルソンさんに聞いたところ、縁結びや結婚だけでなく、事業の成功を祈る人もいると言われ、何となく日本の神様のようにありがたい存在かなぁと感じました。
それとデーモン作品もいろいろ並んでいました。大きい作品は写真のデーモン作品の3~4倍もの大きさです。日本の赤鬼に似たデーモンも直訳すれば「悪魔」という意味なのですが、子供を抱く可愛い作品や楽器を奏でる作品も多いので、なんのために飾るのか質問をしたところ、日本でいう魔除けのような存在であることがわかりました。鬼というよりなまはげのような存在なのでしょうか。
聖アントニオやデーモン作品は、多くの陶人形作家さんが題材としていますが、同様に、冠をかぶった女性像も様々な作品が作られています。その作品の謂れについても質問したところ、聖イザベラ、バラの王妃と言われる方だとわかりました。詳しく調べるとその謂れもわかり、作品を知るだけでなく少し歴史的なこともわかるようになりました。
ネルソンさんの陶房に居る間に、店舗の仕入れ担当の女性が商談に訪れて、聖アントニオ作品や可愛いタイプの陶人形をゴソッと仕入れていました。やはり若い方たちにはPOPな作品が人気なのでしょうね。
日本でネルソンさんのガロを紹介するにあたって、あまり大きくないサイズがあるか伺ったところ、陶房にはないがバルセロスの町の店に卸しているということ。それを一緒に見に行こうと言われ、バイヤーさんとの商談の後で連れて行ってもらいました。
到着したお店には、手ごろな大きさのガロ作品があったので、日本で紹介するために購入し持ち帰りました。昨年は一番最初にネルソンさんの陶房を訪ねたため、大きさや数など、どの程度の作品を購入してよいか迷い、結局大きめの作品を一点だけ持ち帰りましたが、今年は色々な作品を紹介したいと考え、幸運のガロ、デーモンや聖アントニオなど十点近く持ち帰ることにしました。日本のお客様の反応が楽しみです。
今日はアントニオさんが不在なので、訪問を諦めて一息入れることにしました。昨日まではあまり食欲もありませんでしたが、今日は少し回復したようです。いつものパステラリアで気になっていたエクレアとビスケットとメレンゲのケーキを買ってきました。夕食までの作業の前に少しだけほおばります。
スマホ撮りなのでサイズ調整でカットされてて見にくいのですが、久しぶりにちゃんとした夕食です。と、いうより今回の出張では初めての夕食。アンコウのリゾットを赤ワインで楽しみました。
ホテルに戻ってからは、来週早々に作品を郵送するために、作品の梱包作業が夜中まで続きました。予定していたとおりです。
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