山口は萩焼で有名、さらに日本海側を東に進んだ島根や鳥取は、民藝運動の盛んな土地で、沢山の窯元があります。山口アーツ&クラフツの実行委員会事務局のあるなごみスタイルでは、いつも個性的な作家さんの展示企画を開催しています。俄然期待の高まる中で、新緑の爽やかな風渡る維新百年記念公園で開催された山口アーツ&クラフツを訪問しました。開場10時にはまだ間がありましたが、すでに出展者のテントには人が集まりだしてます。規模の大きなクラフトフェアを訪問するのは今年初めてなので、陶器の人形&オブジェを中心に周ってみました。会場は公園の立地を生かし、A~Eまでのブロックにそれぞれの作家さんがブースを出しています。
島根の陶芸家、石橋優さんのブースには家のカタチの蓋物とオブジェが並んでいました。ブースの手前側に飾ってあった、ちょっと大きめの二建ての白い家の前には車が止まっていて、家の中から人が出てきそうです。ブース全体は横に広く全景は撮れなかった(ちょっと残念!)
会場から最も近いのでは?市内の陶芸家伴工房さんのブースです。円筒系の家の煙が蓋になっている作品など、沢山作品が並んでいました。手前側に、羊のオブジェやペンギンの置物などもあってとても可愛かったですね。
ランプシェード、しかも透明なガラスだと、日中は目立たないように感じますが、すごく存在感ありました。京都のガラス作家鳥本雄介さんの作品です。色がついてない分、ガラスの質感が際立ち、飽きないかも。素敵でした。
広島の陶芸家、佐々木しずさんの作品ブースには、イッチン紋様がとてもきれいな食器が並んでいました。
土地柄なのか、木工ブース数はやや少なめでしたが、スタイルの良い椅子を展示されていた木工房空さんのブースです。お客様が沢山ブース内を見ていました。私もウッドデッキで一息つく時に、あったらいいな、と思う作品でした。
愛媛の陶工房もちの木、亀井紀子さんの粉引きの器はきれいでした。かなり大きめのマグカップはタップリの容量で、見た感じはザラッとしていますが滑らかな肌質でした。もちの木さんのHPはコチラ→ http://www.atelier-mochinoki.com/
ガラス作家、琥珀さんのブース前には、一所懸命ガラスを吹いているネコが2匹。リアルで可愛い表情に足がとまりました。作陶もされるのかと伺うと、知り合いの陶芸作家さんの作品とのことです。作家さんの名前聞けばよかった。
広島のデザイナーであり陶芸家、奥村志暢さんのブースには、ちょっと昭和の郷愁を誘うペン立てのオブジェが並んでいました。その下段には、赤いリュックを背負う寿老人のようなアスリートのペン置き。最初にブースを訪問した時には、作品を並べながら準備していた奥村さんと二、三言葉を交しました。あまり役立つ作品ではないので、と謙遜されていましたが、再び通った時には、多くのお客様で賑わっていました。(これはあくまでも憶測ですが)ネクタイ姿のワイシャツおじさんのほうに軍配があがったのでは!楽しいブースでした。ちなみに完全一点もののオブジェ作品も展示されていて、次はもっとたくさんの作品を拝見したいです。
薄くて軽い、見た目も金属かと見間違うような焼き物でした。福岡の日月窯、福村龍太さんのブースです。私だけでなく他のお客さんも驚いていました。福村さん自身も「金属かと思うでしょう。でも焼き物なんです。シッカリ強度もありますよ。」と紹介してくれました。美術品に近い感触です。すばらしい!
きれいに染められた羊毛とそれを使った作品の並ぶ、山野内玲子さんのブースです。この毛糸の持ち主はこの羊です。リアルな羊の顔を掲載した資料がテーブルに置いてありました。あんまりおもしろいので写真に撮らせてもらいました。勿論、作品もgood、手触りよく温かかったですよ。
うろこ状のデザインが特徴的な薮本寛之さんのブースです。印象に残る器です。
上の画の説明のとおり、「黄色」が目立つブースでした。色に惹かれてブースを訪問、作家の桂さえかさんと話しをしました。黄色が好きな色というのもありますが、様々なクラフトフェアを見ましたが焼き物で、これだけ黄色を使う作家さんは少ないなぁ、と感じました。ブースの主、桂さえかさんはまだ若い女性の作家さんでした。焼温度が低いのか?と思うような質感とキューピーのような絵柄、これまたレトロ感タップリとしか言いようがありません。後ほどその魅力を作家作品紹介に載せてみます。
ブースの前を通りかかった瞬間に、風にそよぐ人形に目が止まり、過去に出会った作品だと記憶が甦りました。ブースには朴洋絵さんの名前が。確かに会ってる!そこで朴さんに、昨年の出展場所を伺うと、関東圏では出展してないとのこと、「ウーン確かに会っている」と、さらに伺うと、浜名湖クラフトの名前が出てきました。朴さんも記憶を辿る途中で「風にそよぐ人形の写真撮ってくれた人でしょう」と思い出してくれました。そこで「12月のこころのサイト」を開けて、クラフトの旅のレポートを見てもらいました。まさか山口のクラフトフェアでお会いするとは!!
最後のブース紹介も、昨年にお会いした作家さんです。徳島の綿摘み陶房の重本美玲さん。御殿場クラフトで出会いました。コーヒー好きな作家さんで、御殿場で求めた渋い色の(下段の写真の器の色)軽くて持ち手も大き目なコーヒーカップは今でも愛用しています。作風がガラッと変わった(上段の写真の色)ので訊ねると、あの色を出せる土がもうなくなってしまったとのこと、本人も残念がっていました。今年は、去年お勧めした浜名湖クラフトに挑戦したいなぁとおっしゃってました。決まるといいですね。
湯田温泉にも近い維新百年記念公園。最寄りの駅として乗降した湯田温泉駅。すごい大きさの白虎です。大鰐温泉のわにもここまで大きくはありません。びっくり!!
開催当日の未明に熊本地震の本震が発生し、山口でもすごく揺れたとのこと。福岡方面の作家さんには来れなくなった方もいたようで、開場直前のブースでは、作家さんの間で交わされる会話も聞こえてきました。今回の地震で被災された方々に心からお見舞い申し上げます。
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